
写真家・映画監督である大西暢夫氏による、日本の手仕事の「今」を深く見つめた一冊、『炎はつなぐ: めぐる「手仕事」の物語』大西暢夫 著(毎日新聞出版)が出版されました。
大西氏が日本各地を巡り、伝統を守りながらも時代とともに変化し続ける様々な「手仕事」とその担い手、職人さんの姿を、丁寧な文章と美しい写真で描き出しています。彼らが直面する課題、技術の継承、そして何よりも、ものづくりへのひたむきな情熱が鮮やかに綴られています。
rimpamuraがお世話になっている現在日本で唯一人の「松煙職人」紀州松煙の堀池雅夫さん、そして日本で1人、最後の「墨型彫刻師」中村雅峯(なかむら がほう)さんも登場します。
大量生産・大量消費の時代に生きる私たちに、手間を惜しまず、一つ一つの工程に心を込める手仕事の価値を問いかけています。単なる記録ではなく、未来へと「炎をつなぐ」ことへの温かい眼差しが感じられる、心に響く物語です。
伝統工芸や日本の文化、そしてものづくりに携わる人々の生き方に興味がある方には、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。

また、本の出版と時期を同じくしてドキュメンタリー映画「炎はつなぐ」が7月19日(土)よりポレポレ東中野ほかにて劇場公開されます。ドキュメンタリー映画に堀池さん、中村さんは今回登場していませんが、都内にお住まいの方は、是非。