現在放映中のNHK大河ドラマ「光る君へ」をきっかけに「紙巻筆」に注目が集まっている様子が感じられます。
現在私たちが手にしている多くの筆は水筆、あるいは無芯筆と呼ばれ、大河ドラマで描かれている時代に使われていた筆とは違います。
当時の筆は芯になる毛を和紙で巻き、さらに上毛をかけて作られる「紙巻筆(有芯筆とも呼ばれる)」です。
創業元和元年、400年の伝統と技術を誇る「攀桂堂(はんけいどう)」さんは、日本で唯一、この紙巻筆を作り続けている工房です。この攀桂堂さんが、源氏物語の登場人物の中でも特に中心的キャラクターである「源氏」、「紫上」という名前を冠した紙巻筆を作っています。
いずれも、京都府宇治市の平等院に『源氏物語』全54帖の写本を奉納された書家の右近正枝が監修されています。お気に入りの硯を出して、墨の香りに包まれながら筆をとると、その時代にタイムスリップできそうです。