初めて水墨画を始める時のお道具選び

水墨画は初めて、と言う方におすすめするお道具選びのポイントは”きちんと作られたお道具”と”扱いやすさ”です。
水墨画の魅力である墨の濃淡、筆運びなどは思っている以上に奥深いため、始めてすぐにその複雑さに圧倒されて意気消沈😞しないためにまず重要なのは「楽しむこと」です。

そのために、良い画筆を持つことをおすすめしています。

「弘法筆を選ばず」とは熟練者に言えることで、そのお道具の特徴を理解しきっていない初心者、中級者に当てはまる言葉ではありません。きちんと作られた筆は、「あれ、真っ黒😅クラデーションがでない」「あ〜、水が多すぎた💦」「えっ。今度は墨が保たない枯れてしまった💦」といった悪戦苦闘の過程にあっても、筆で描く楽しさ、面白さを体験させてくれます。

最初に揃えなければならないお道具が多いので、他のお道具は慣れてからグレードアップしても良いかもしれません。まずは、良いお筆を一本揃えてみてください。rimpamura FUDE collectionはこちらへ。

水墨画を始めるときに揃えたいお道具と選ぶ際のポイント

<画筆>

水墨画用の筆は画筆と呼ばれ、書道筆とは区別されています。
書道においては、筆は立てた状態で書きますが、水墨画は筆をやや寝かせて描く”側筆”が多いため筆の作りも変わります。見た目にはそう違いを感じませんが、描いてみると、画筆の方が水墨画の表現が出しやすいと感じることと思います。

種類:まずは太さが約1~1.5センチくらいの一般的に附立筆、あるいは長流と呼ばれる種類の筆があると便利です。慣れてくると削用、面相筆など違った線を描くための色々な筆が欲しくなってくると思いますが、まずは附立筆からスタートされるのが良いと思います。

筆選びを難しくしている理由の一つに、業界としての規格がないということです。例えば、附立筆的な機能をもった筆でも、全ての筆にが「附立筆」あるいは「長流」と名前がついているわけではありません。rimpamuraでご案内している筆も「花心」、「花酔」などそれぞれ銘でお呼びしているもの、「削用筆」とお呼びしているもの様々です。

選ぶ時のポイント:書道、水墨画を経験している方のアドバイスが一番です。師事される先生、もちろんrimapmuraも様々なご質問にお答えしますので、shop@rimpamura.comへご遠慮なくご連絡ください。
水墨画が初めてと言う方には、芯にかたい毛質のものが使われていて、紙にあてたときに腰があると感じる筆をおすすめしています。rimpamuraでご案内している中で言うと、創業400年 攀桂堂さんの墨絵筆はとても丁寧に作られており、初心者に優しく寄り添ってくれるとても優しいお筆です😊

<固形墨>

時間短縮という意味では墨汁という選択肢もありますが、水墨画の真骨頂である豊かな墨色の違いを見分ける目を養うと言う意味も込めて、固形墨をおすすめしてます。
種類:固形墨にも色々な種類がありますが、最初の墨としては、比較的コントロールしやすい”油煙墨”をおすすめします。(コントロールのしやすさは墨と紙との掛け合わせで決まり、また油煙墨も様々ですので、油煙墨がコントロールしやすいという表現は正確に言うと正しくありません。が、説明すると長くなるためここでは省略いたします。)
rimpamuraでご案内している中で選ぶとすると、150年の歴史を誇る錦光園さんの「光輝」をおすすめします。滲み・濃淡・基線の出具合いなど、全体的に非常にバランスのとれた油煙墨です。全面を菊図が覆い、金箔があしらわれた華やかなデザインで、見ているだけも幸せな気分にしてくれます。

<硯>

墨の色だけで表現される幽玄な世界に魅了されて水墨画を始められる方がほとんどかと思います。その豊かな表現を生み出すのに大きな役割を果たしているのが墨色であり、豊かな墨色を生み出してくれるのが硯です。
墨をする時間を描くことに使いたいと考える方も多いと思いますが、是非固形墨を磨ってみてください。墨を磨り気持ちを整えることは、良い表現をする上ではむしろ近道であると感じていただけると思います。墨を磨るのに時間がかかってイライラしたという経験をお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、本来良い硯はスルスルと墨がおりるものです。
rimpamuraでは、赤間石の優しく温かみのある石色が活かされ、また現代の生活スタイルに合ったモダンで美しいフォルムが特徴の日枝玉峯堂さんの赤間硯をご案内しています。緻密な石質にくわえて、墨をするために必要な石英(せきえい)や鉄分を多く含んでいるため、肌が細やかでかな書道や水墨画に最も適しています。直径約9cmの円硯は持ち運びにも便利です。

<紙>

和紙

水墨画でよく使われる紙の代表的なものに画仙紙があります。中国製、日本製があり、中国製は比較的にじみの墨跡が強く、日本製は墨の濃淡が美しいといわれています。
練習用としては、書道用の手漉き和紙などもおすすめです。その場合には、表面があまりツルツルしていない半紙をおすすめしています。表面がツルツルしている紙は墨をコントロールしやすい利点がありますが、水墨画の真骨頂である奥行き感などの表現は苦手で、どことなく単調で面白みにかける絵に感じられるとしたら、それは画力ではなく、紙の性質に由来する可能性があります。

<その他>

文鎮/水滴/下敷き/筆洗い/筆拭き/調墨用白い皿など

文鎮:紙が風などで翻ったり散ったりしないように重しとして載せる文房具。美しい文房具は水墨画を楽しむ時間をより良いものとしてくれます。是非お気に入りの品を見つけてください。文鎮と名のついた製品に限らず、重しとしての役割を担えるもので代用できます。

水滴:硯で墨を磨る、墨の濃さを調整する水を注ぐために使うのが水滴です。水を注ぐ際にきれな音が出る陶器の小さな水滴など多々販売されています。小さな醤油差し、スポイトなどでも代用できます。(検索:水墨画 水滴  道具)

下敷き:水墨画を描くときには、墨色が分かりやすい白の下敷きをご用意ください。厚さも数種類ありますが、ちょっと厚めの方が描きやすい感じがします。(検索:嵯峨毛氈下敷)

筆拭き:水墨画を始めて一番頭を悩ませるのが筆に含まれる水のコントロールかと思います。墨含みが悪いと最後まで墨が保たない😞、水が多すぎると滲みすぎる💦など、悪戦苦闘が繰り広げられます。経験がものを言うので、とにかく描き続けるのが一番ですが、筆の先の水をサッと拭き取ったりすることでコントロールもしやすくなります。普通の布のタオルでは、毛先に布の繊維が絡まったりすることがあります。ですので、赤ちゃん用の布おむつとして使われている綿100%の布をオススメしています。吸水性にすぐれ、布の繊維が筆につきづらいので重宝します。(検索:ベビー布おむつ ドビー織)

筆洗い:陶器、プラスチックの専用筆洗もありますが、プラスチックのカップも重宝します。100円ショップなどで手に入るプラスチックカップでも代用できます。(検索:筆洗)

トキ皿:硯で磨った墨を調墨するための皿。濃墨、淡墨用など3枚位用意すると良いかと思います。100 円ショップで手に入る直径10cmほどの平皿でも代用できます。(検索:トキ皿)

現在 rimpamuraでは現在和紙、画仙紙、その他の商品を扱っておりませんが、ご希望に合わせてアレンジは可能です。ご質問などありましたら、ご遠慮なく shop@rimpamura.com までご連絡ください。

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