巻筆

巻筆

🟠 巻筆とは

現在作られている筆のほとんどは、穂首の根本を固めて軸に固定した「水筆(無芯筆)」と呼ばれるものですが、江戸時代までは芯になる毛を和紙で巻き、さらに上毛をかけて作られる「巻筆(有芯筆)」が主流でした。

書家 右近正枝氏が、「源氏物語五十四帖」の書写にあたり、二種類の紙巻筆を選定し、その感想を「筆の源流 巻筆の世界ー攀桂堂雲平筆四百年ー」の中で次のように表現しています。

「水筆は使用中に度々、筆毛の根本まで砕けて乱れてしまうことがありますが、巻筆は芯の部分に支えられて安定し、命毛が切れてしまうまで使用することができます。(中略)この特製紙巻筆を使い始めますと、柔らかな仮名の線の、太細の変化は勿論のこと、墨の続き具合、穂先の開閉や纏まりの安定感は、これまで使用した線にはない、格別な趣で、自由自在に書き進むことができるようになりました。」

この様に紙巻筆は仮名の表現に格別の趣を与えてくれます。

筆選びは「四徳」に加え、穂の太さや長さ、そして原料など、様々な視点がありとても奥深いものですが、「紙巻筆」というポイントで筆を選んでみるのはいかがですか?

🟠 巻筆の種類

攀桂堂さんが現在もその伝統を繋いでいる紙巻筆は3種類あり、rimpamuraはその中から人気の巻筆を厳選しました。

    1. 一般型 A名家書流(六種八
      名称に歴史上有名な書人の名が刻まれています。六種八本ありますが、rimpamuraでは「光悦用筆」を常時ご用意しています。他の筆は不定期に登場いたします。
    2. 一般型 (平安かな書法、源氏、紫上
      一般型は、見た目には水筆とは一見そう変わったようにも見えませんが、よく見ると紙が巻かれている部分から穂先部分は急に細くなっています。平安かな書法、源氏、紫上は、平安時代の古典を書くために開発された筆です。
    3. 雀頭型 (天平筆雀頭筆
      鋒先が雀頭型の筆。正倉院に伝わるものと同じ構造と形状をもつ筆をご案内しています。
    4. 藤巻型 (兼毫筆龍籐巻筆
      鋒首と軸を籐と金網を利用して接続するもので、漢字大字用などに採用された構造の大筆。金網部分まで紙が巻いてあるので、その先は全部下ろすことができます。

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