日本に筆が伝来したのは、大和時代の初期で、中国文化との交流によって輸入されていたといわれています。その後嵯峨天皇の時代(812年頃)に、僧空海(弘法大師)が唐に渡り筆の製法を習得し、帰国後にこれを民間に伝承したのが、日本における筆造りの始まりと伝えられています。
現在は江戸時代末期より明治時代にかけて伝わった水筆「水筆(すいひつ)」と呼ばれる無芯筆が主流ですが、「有芯筆(ゆうしんひつ)」という構造の異なる「紙巻筆」「巻筆」があります。奈良時代の文化、8世紀の世界文化を代表する文化財の宝庫として有名な正倉院(天平時代)に残る国内最古の筆18種はいずれも有芯筆です。
書道筆の中には穂先だけを下ろす筆がありますが、不思議に思ったことはありませんか?これは紙巻筆の歴史が長かった事に起因するという説もあるようです。
さて、筆と一言で言いますが、毛の種類、構造の違い、使用目的など選ぶ際に考えたいことが様々あります。その要素が多くあることが魅了でもありますが、書道、墨絵/水墨画を始められたばかりの方々にとっては不安しかないのではないかと想像します。さらに難しいのは、それぞれ筆圧、手の大きさなどが違うため、他の人にとって良い筆であっても、それが必ずしもご自身に合う筆とは限りません。自分自身が感じる気持ちを頼りに選ぶのが一番かと思います。
こちらでは幾つか選ぶ際の手助けとしていただけるよう、筆を様々な視点でご説明していきます。それでも伝え切らない奥深さがあります。ご不明な点はいつでもお気軽にメールなどでお問い合わせください。



