筆のお手入れ

高価であるかどうかというより、自分の点に馴染み、目指す表現を手助けしてくれる筆との出会いはそうそうあるものではありません。
だからこそ、そんな筆に出会ったら、良き相棒として長く付き合っていきたいものです。
きちんと作られた筆は、その構造にあったお手入れを心がけることでとても長く使うことができます。

15歳から70年近く筆一筋、120を超えるとも言われる全てを一人で行う奈良筆伝統工芸士 鈴木一朗さんに、筆の洗い方について伺いました。

 1. 筆の穂先を持つ
 2. 穂の根元を膨らませる
 3. 膨らんだ部分に静かに水を垂らす
 4. 軸際に溜まった墨を下に流す
 5. 穂の腹、先をもみ洗い
 6. 抜けてきた毛は
 6. 丁寧に抜き取って
 8. 書き損じた半紙の上に
 9. 筆を置いて乾かす

洗ったとに筆先を下に向けて吊るして乾かす方法も一つですが、書き損じた半紙の上に置くことで半紙が水、そして中に残っている墨も吸い取ってくれるので、半紙の上に置いて乾かす方がおすすめとのことです。