皇室にも愛された技。輪島塗の歴史と心を銀漆の静寂な輝きに託す輪島塗 塗師・中津正克
江戸時代より続く名門「中津漆器店」の四代目として、輪島塗の格式高い歴史を受け継ぐ塗師・中津正克氏。
上皇ご夫妻のご婚礼における屠蘇器や天皇陛下の御元服での台を手がけるなど、皇室の重要な儀式に用いられる漆器に携わってきた確かな実績を誇ります。代々培われた権威と圧倒的な信頼を背負い、伝統の重みを現代へとしっかりと繋いでいます。
正克氏の手仕事の代名詞と言えるのが、粗い14号の銀粉を漆で包み込み、硬い青砥石で少しずつ削り出す繊細な「銀の漆器」の技術です。砥石を当てる角度や力加減ひとつで仕上がりの表情が変わるため、長年の経験に裏打ちされた感覚と繰り返しの作業に耐えうる忍耐力が欠かせません。金属の鋭さとは一線を画す、漆特有の柔らかな光と静かな揺らぎを宿した表情が、多くの人々を魅了して離しません。
「漆は塗り手の心を映し出すからこそ、自分の性格を殺し、心を凪に保たねばならない」と語る正克氏。
ただ手先の技を磨くだけでなく、焦らず決められた工程を丁寧に積み重ね、自らの心を整える姿勢にこそ職人としての深い哲学が宿っています。静謐な情熱と誠実なお人柄から生み出される一品は、手に取る人の日常に確かな温もりと驚きを与えてくれます。
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- 朝日新聞デジタル記事 ▶︎塗師屋・中津漆器店 中津正克×中津正典 父子対談

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